2007年09月05日01:25
はーい。
今月もやってまいりました。
納期。
はい。
2本目です!
ええと。あなたはエンジェル、信じますか?
これが意外と多忙な様子です。
あなたのエンジェル、ため息ついてませんか?

それではお楽しみください。

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【ためいきエンジェル】

脚本 中山あきら
エピソード提供 ハイヤーセルフ様

アレックス

出るのはため息、ばかり見たいですね。
さっきから言葉に出来ないまま、電気もつけないで、あの子、洋子ちゃん、て言うんですけど、ぶつぶつ言ってます。はい。あ、おいらはエンジェル。なんか、幽霊じゃないんですけど、意外と皆さんの身近にいるんですけど、あんまり構ってもらえないんですけど、悪趣味ですけど、見守ってる、ってことにかこつけて、結構人間観察しちゃってます。ま、仕事ですから。

洋子「はぁ~・・・。だいたい、なんで誘っといて、ドタキャンするかなぁ。はぁ~・・・。」

アレックス
洋子ちゃん。その誘った相手、あんまり後先考えてないだけで、悪気はないと思いますから。

洋子「はぁ~・・・。この秋の夜長に、急に予定あいちゃったら、お月さん眺めてるしかないじゃない。はぁ~・・・。」

アレックス
そうですね。でも秋の夜長、そうやってゆっくりお月様眺めていられるのも、それはそれで幸せな気もしますけど。

洋子「はぁ~・・・。月見団子、買ってくればよかった。はぁ~・・・。ひまだぁ~。」
アレックス
暇ですね。ぶっちゃけ、僕も随分暇なんです。ま、洋子ちゃん見てると暇ですけど飽きなくてすごせます。はい。

洋子「あ、買いにいこっ♪。聞こえてる?私のハイヤーセルフなエンジェルさん!」

アレックス
はいはい。聞いてますよ。洋子ちゃんのハイヤーセルフ、私、アレックス、ちゃんと聞いてます。はい。って。え~~~~~~っ!洋子ちゃん、僕がここにいるの知ってるんですか?

洋子「ってか、あんたも食べたい?月見団子。ん?ちゃんと一緒に買いに行くんだからね。わかった?ん?」

アレックス
はい。もちろん仕事なんで、洋子ちゃんから離れるわけにはいきませんから。いや、行きます。

洋子「だいたいさぁ。ね。アレックス君。なんで外人の名前なのさ」

アレックス
ん?んん? 洋子ちゃん、なんで僕の名前知ってるんですか?
洋子「うざいなぁ。あのさ。最近、あんた、声、漏れてんのよ。聞こえてるの。全部。」
アレックス「あらら。じゃ、普通にお話できる状態なんですか。洋子ちゃんと」
洋子「だから、なんで外人の名前なのよ。」
アレックス「ま、エンジェルなんで、時雄、とか大治、とか、強、って名前もおかしいかなぁ、と思うんですが・・・。和風が好みですか?」
洋子「ま、勘弁しといたる。」
アレックス「はぁ~・・・。」

洋子「じゃ、散歩散歩っと」

(歩きながら)

洋子「ねぇ。アレックス。」
アレックス「何ですか?洋子ちゃん」
洋子「私って、運、いいほうなのかな。悪いほうなのかな。今日もフラレちゃったし。彼氏、全然出来ないし・・・。」
アレックス「運、悪くないと思いますよ。全然。ま、僕の仕事は、悪いことが起きる前に洋子ちゃんにお知らせするのが主な業務内容になってますので、運が悪いってことを認めるとするならば、僕の仕事振りを僕自身が否定することになるわけですから・・」
洋子「長いっ!そこっ!説明!」
アレックス「ごめんなさい・・・。」

洋子「ま、分かればよろしい。」
アレックス「はい。」
洋子「はぁ~・・・。」
アレックス「ああ、またため息ですか」
洋子「ため息もつきたくなるわよ。ったく・・・。はぁ~・・・。」
アレックス「あ、そのため息は、退屈のせい?それとも?」
洋子「秋は読書に食欲に運動に月見に夜長に彼氏でしょ?」
アレックス「はい。ま、彼氏、はあんまり聞きませんが」
洋子「読書は興味ないし、食欲全開にしちゃえないし、ほら。ダイエットしなくちゃ彼氏できないでしょ?」
アレックス「ま、し過ぎは駄目ですけどね」
洋子「運動なんて、なかなかする機会ないし、実際、なにをしろってのよね。」
アレックス「ん~。ホットヨガなんてはやってますけど。やらないですか?エンジェル、いいお店、リーディングしてあげられますけど。」
洋子「ま、そうすると、やっぱり月見よね」
アレックス「月見、嫌いじゃないですよ。洋子ちゃん、小さい頃からお月様、好きですもんね。」
洋子「小さい頃はね。お姫様がお月様には住んでて、ウサギさんと一緒に仲良く毎日楽しい幸せな生活を送ってるんだと思うと、月見てるだけで嬉しくなっちゃたんだよね。子供って単純」
アレックス「ま、洋子ちゃんご本人様ですけどね。」
洋子「だれか、お姫様をさらいに来てくれないかしら」
アレックス「かなり話が飛びましたね・・・。ちなみに、ここしばらくは洋子ちゃんにはあんまりいい出会いが無いので、気にしないほうがいいんじゃないかなぁなんてのが僕のアドバイスなんですけどね」
洋子「あ!イケメン! (残念そうに)はぁ~・・・。やっぱり隣に彼女のっとるわ・・・。」

アレックス「あー。かわいそうに・・・。このあと、あの二人別れ話になっちゃいますね。」
洋子「幸せなヤツは別れてしまえ!あたしにチャンスが増えるように仕事しなさい!エンジェル・アレックス!」
アレックス「はぁ~・・・。洋子ちゃん、そういうこと言っちゃだめですよ~。減点ですから。またおいらが叱られちゃうじゃないですか」
洋子「てか、天使なんていないか」
アレックス「え?ええ?いないかって。いままではなしてたじゃん。洋子ちゃん」
洋子「あ、天使がいたとして、彼氏にはならんしな。はぁ~・・・。」
アレックス「ま、そりゃごもっとも」
洋子「だいたい、エンジェルって女だよな。女。」
アレックス「いや、そうでもないんですけど・・・」
洋子「ま、ぶっちゃけ、どっちでもいいや。」

店に入る

洋子「あー!和美ぃっ!何してんの?」
和美「あー!洋子っ!あんたこそ何してんの?デートって言ってなかった?」
洋子「ふられた・・・。和美こそ?」
和美「わたしも・・・。はぁ~・・・。」
洋子「はぁ~・・・。」

アレックス「ジョニーさん、こんばんは。」
ジョニー「ああ、アレックス。こんばんは。」
アレックス「お疲れ様です。」
ジョニー「ほんとに。つかれた・・・。もしかして、似たような状況ですかね。」
アレックス「そのようですね。」

洋子「今夜は【秋の夜長、イケメン男をゲットしろ!イケイケ大作戦企画会議開催決定!」
和美「決定!」

アレックス・ジョニー「だめだこりゃ・・・。はぁ~・・・。」
アレックス「しょうがないなぁ・・・。」
ジョニー「面倒だから何とかしちゃいますか」
アレックス「そうですね」

洋子「あれ?和美?ねぇねぇ!あそこ」
和美「なに?」
洋子「あこがれの加藤先輩だよっ!あそこ!」
和美「ほんとだ!」
洋子「私のハイヤーセルフ様!ありがとうございますっ!洋子、この運命の夜、忘れません!」
和美「ええっ!どうするつもりよ。洋子。って洋子!」
洋子「加藤せんぱぁいっ!!!」(かけて行く)

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アレックス 中山あきら
ジョニー よしき
洋子 加納いづみ
和美 ちえ
(敬称略 予定というか希望)

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ま、妄想の世界観で書いてますので、突っ込みはナシでお願いします(^^)
ま、落ち、のないたわいないお話ですから・・・。

それではまた来週!
じゃないや また来月!!!(^^)