2007年10月11日00:28
今月もやってまいりやした。
はい。
納期です。
今月はどんなおはなしなんでしょ・・・
ではお楽しみください・・・。

【夜は長いから】
脚本 中山あきら
エピソード提供 魔女りん

奈津子「でね、今度の日曜日に大輔君にもさぁ」
メールの音
大輔「ん~。ヤベッ・・・。ちょっと電話してくる・・・。」
奈津子「え?う、うん。」

大輔「わりぃ~。」
奈津子「もういいの?」
大輔「ん?ん。またメールするって。」
奈津子「あ、そう。」
大輔「で、何だっけ?」
奈津子「もういいヨ・・・。」
大輔「ん?機嫌悪い?」
奈津子「別に」
大輔「わりぃんじゃん。機嫌。」
奈津子「あのさぁ。いっつも携帯いじってるよね。私といても」
大輔「ん?そう?」
奈津子「そ!う!」
大輔「あ、そう。」
奈津子(横向いて)「も、ヤダ。ホントムカツクし。」
奈津子(大輔に)「かえるね。」
大輔「あれ?日曜の話、いいの?」
奈津子「どうせ聞いてないじゃん。」
大輔「キイテルよ。」
奈津子「聞いてないよネっ!」
大輔「やっぱ機嫌悪い?」
奈津子「一緒にいる意味無いもん。じゃね。帰るから!」
大輔「マジで?」
奈津子「マジで!」

(間 店内を早足で奈津子去る)

大輔「あれ・・・。そこまで怒んなくてもさ・・・。お会計・・・。おれ?おれかよ?だよな・・・。たく・・・。ってか、この後のカムホールのライブ・・・。一人かよ・・・。あーあ。ながいよるになりそ・・・。ぁ・・・。」
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大輔「寒くなったなぁ~」
恵子「ほんとね~。もう11月だね。」
大輔「クリスマスも多分寒いよね・・・。」
恵子「もう心配してんの?早いんじゃない?」
大輔「だってなぁ・・・奈津子いないしさ」
恵子「ま、あんたがそういうんならそうじゃないの?」
大輔「だよなぁ・・・。」
恵子「じゃ、あやまっちゃえば?奈津子に」
大輔「やだ。」
恵子「あやまれよ。たまには。」
大輔「やだね。」
恵子「ほんとにしょうがないんだから・・・。」
大輔「男は簡単に謝っちゃいけないんだぞ。」
恵子「おこちゃまだねぇ・・・。相変わらず。」
大輔「なぁ。うまいこと、奈津子に言ってくれよ。」
恵子「なんで私が・・・。自分でいいなよ。」
大輔「おごるからさぁ。」
恵子「こういうときだけね。ま、けちなおこちゃま男にはその程度しか思いつかんか・・・。そんな金があるんなら奈津子にプレゼントでもあげないさいよ。ゴメンナサイの。」
大輔「はぁ・・・。」
恵子「じゃ、私行くから。あ、ちゃんと電話ぐらいしなさいよ?メールでもいいけどさ。せめて?わかった?大輔!」
大輔「ああ・・・。」
恵子「するんだよ?急がなくても夜は長いから。じゃね。」

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恵子「だからさぁ。大輔、悪気は無いんだよ。無いんだって。」
奈津子「悪気があるとかないとかそんな話じゃないだろっ!私と一緒にいたって、携帯弄繰り回してメールだの仕事だの遊びだのトラブッタだのMIXIだのGREEだのぜーんぜん人の話は聞かないわ予定も勝手に決めちゃうわ二人でいる意味ない!」
恵子「まー、大輔らしい、ね・・・。実際。」
奈津子「恵子が一緒にいればいいじゃん!」
恵子「は?」
奈津子「そんなに大輔のことが良く分かるんなら恵子が一緒にいればいいじゃん!」
恵子「あ、あのね・・・。冗談はさておき・・・」
奈津子「さておかないっ!」
恵子「さ~て~置け!だれがあんなおこちゃまの相手するかっ!」
奈津子「それそれ!ほんとにおこちゃま・・・。あーなんであんな男に・・・。」
恵子「ま、別れちゃえば?」
奈津子「う~~~~~~~~~それができれば楽なんだよね・・・。」
恵子「ま、ほれたの、あんただからね・・・」
奈津子「そうだっけかな」
恵子「そうだっけよ」
奈津子「いうなっ!」
恵子「ふぅ。ま、任せる。勝手にして頂戴。ね。あ、コーヒー、おごれよ。じゃね!」
奈津子「かーえーるーのー???」
恵子「かえるし。いてもしょうがないし。一緒にいたいの、あたしじゃなくて大輔、でしょ?オーヤーシーミー」
奈津子「オ・・・ヤ・・・シ・・・ミ・・・」

奈津子「あーあー・・・。一人でこの寒空の夜を生きていけってか?ッタク。大輔っ!メールぐらいしてきやがれ・・・。」

メール着信

奈津子「ん?大輔? ちがうじゃん。あーそっか・・・。明日会社の飲み会だった・・・。行きたくねぇ・・・。とりあえず、帰ろっかな・・・。まだまだ夜は長いしなぁ・・・。」

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ピンポーン
大輔「んだよ。いないのかなぁ。」
ピンポーン
ピンポーン
大輔「寒っ・・・。風引いちゃうぜ。折角プレゼント買ってきたのに・・・。MIXIでもやって待ってるか・・・。どれどれ。っと。んだよ。誰も日記更新して無いじゃん・・・。つまんね。」

ピンポーン
奈津子「いないのかなぁ。」
ピンポーン
ピンポーン
奈津子「大輔ぇ~?寝てるの?寝てるのかなぁ?マジムカツク。折角来たのに・・・。おきろ!おきないと許してやんないぞ!あ、MIXI見てみよ。どれどれ。っと。ログインしてんじゃん。あほくさ。かえろかえろ。」

大輔「あ」
奈津子「あ」
大輔「何、ヤッテんの?もう2時過ぎだよ」
奈津子「大輔こそ。こんなとこで。何やってんの?てか、MIXI?」
大輔「してねぇし」
奈津子「うそつき。
大輔「あ、ってことは奈津子も見てんじゃん」
奈津子「家に行っても電気も消えてるしいないから確認したんだよ。」
大輔「え?家、行ったの? あ、これ。これさぁ・・・。」
奈津子「何?」
大輔「アメジストのブレスレット」
奈津子「は?」
大輔「ほ、ほら。こないだ占いのどうしたこうしたで欲しいっていってたじゃん。」
奈津子「聞いてたんだ。」
大輔「だろ! 意外と高かったんだぜ」
奈津子「私が欲しいって行ったのは、ローズクオーツ。且つ、パワー入りの何だけど」
大輔「ち、違うの?しくった?」
奈津子(落ち着いて嬉しそうに)「まるで違うわよ。しょうがない。貰っといてやるか」
大輔「ほら。手、出せ」
奈津子「ほい」
大輔「でかい、かなぁ。ちょっと」
奈津子「これ、男性用?じゃない?」
大輔「店、俺がすると思ったのかな」
奈津子「大輔も手、だしなよ」
大輔「え?なんかくれんの?」
奈津子「いいから」
大輔「ほい」
奈津子「ふふっ。あったかい!」
大輔「な、何て、握ってんだよ。しかも両手で」
奈津子「こうすると一緒にいる気がするね」
大輔「い、いつもいるだろ。一緒に」
奈津子(楽しそうに)「ほんとにわかんないおこちゃまおとこだなぁ」
大輔「おれは あやまんないぞ」
奈津子「男は簡単に謝んないんだっけ」
大輔「よくわかってんじゃん」

奈津子「でもいいよ。手、つないでてね。一緒にいよ。夜は長いから」