2007年08月07日17:32
さて、今月もやってまいりました。
何が?って。
もちろん、脚本ですよ。
ま、毎月意外と何とか書いてますね。
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【a honey bee.】
                脚本 中山あきら
                エピソード提供 自称ワイン通

 職場のみんなで、駒立ちのぶどう園にぶどう狩りに行きました。それが、私の夏の終わりの出来事です。

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知子「しかし、漫画みたいな話だよね。蜂の巣突っついて大騒ぎ!なんて。突っつくのが愛らしいよね。後先のこと、何にも考えてない。わ~ら~え~る~っ!!!。」
愛「かっこよかったなぁ。進さん。でも悪い事したなぁ。」
知子「いいじゃん。進さん、死んじゃったわけじゃないし。蜂に刺されたぐらい。それに、愛、もともと進さんのこと好きだったんだから、チャンスじゃない。話題としては最高!。」
愛「知子は自分の事じゃないから・・・」
知子「それにしても、やっぱり駒立の葡萄はうまいよねぇ。またみんなで行こうね。来年も。でもしばらく葡萄はいいや。ワインは別だけどね。ってか、愛、聞いてるの?人の話」
愛「ん?あ、ワイン、ね。ワインおいしいよね。」
知子「進さんのことで頭がいっぱいですってか。」
愛「ねぇ。知子、お礼するのに、どうしたらいいかなぁ」
知子「お礼?お礼ですか・・・。お礼ねぇ。自分でイタヅラして、蜂に刺されそうになった挙句、ほれてる男に抱きしめられて、身代わりに刺されてもらったお礼。どうするかなぁ。」
愛「なんか言い方が違うぅぅぅ!」
知子「事実だし。」
愛「・・・。ま、間違っては否んだけどね・・・。」
知子「この際、めくるめくエローい御礼とかしちゃったら????ん?んん?んんん?」
愛「な、なに?っんでよ!で、できないし!」
知子「あははっ。私なら速攻だね。愛も好きならホントにチャンスなのにねぇ・・・。」

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愛「あ、進さん」
進「あーこないだは、どうも。」
愛「いま、帰りですか。お疲れ様です。」
進「お疲れ様です。」
愛「あの。」
進「ねぇ。」(かぶって)
進「今日、何か予定とか入ってる?」
愛「いえ、特には。」
進「ご飯、食べに行かない?」
愛「えっ? はい。い、行きます。こないだのお礼もしてないんで気になってたんです。」
進「蜂の件ね。気にしちゃってるんじゃないかと気にしてたんだよね。じゃ、行こうか。」

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進「あー。腹いっぱい。ショーロンポー。ナイス。タバコ、すってもいいかな。」
愛「あ、ええ。どうぞどうぞ。進さん、先日は本当にすいませんでした。あんなことになるなんて・・・。蜂ってすごいんですね・・・。」
進「蜂、怖いよねぇ・」
愛「かばってもらわなかったら、私が刺されてました。ありがとうございます。」
進「昔ね。小美町、って知ってる?あっちの方なんだ。」
愛「小美? よくわかんないです・・・。」
進「男川の上流のほうなんだけどね。そこに住んでて。」
愛「はい。」
進「自然が豊かなところなんだよね。兄貴と山で遊んでてさ。」
愛「進さん、お兄さんいたんですか」
進「うん。性格とか似てないんだ。」
愛「お兄さん、どんな方なんですか?」
進「信長を尊敬してるタイプ、って言えばわかりやすいかなぁ。」
愛「へぇ。豪快そうですね・・・」
進「そう。豪快。裏山で、豪快にスズメバチの巣にイタヅラしやがった・・・。」
愛「えっ!スズメバチの巣、デスか!」
進「そう。おバカな守君は、弟を残して一目散に逃げやがったわけですよ。」
愛「お兄さん、蜂の巣にイタヅラして逃げちゃったんですか?進さん残して?」
進「そう。」
愛「じゃ、刺されちゃったんですか?進さん?」
進「なんかね。よく覚えてないけど、おいらもそれなりに逃げたみたいで。」
愛「逃げ切ったですか?」
進「覚えてるのは、黒いもやみたいな蜂の大群が迫ってくる恐怖。ま、逃げ切れない、と覚悟したらさ。」
愛「はい・・・」
進「なんか急に真っ暗になって。あ、もちろん目も閉じちゃったんだけどね。怖いから」
愛「わ、分かる気がします」
進「気がついたら親父が代わりに刺されてた。」
愛「えっ!お父さん、お父さん、近くにいたんですか?」
進「ううん。意外と家からは遠かったんだけどね。先に逃げた兄貴の『スズメバチがぁぁぁぁ!』って雄たけびと、裏山に響き渡るおいらの『ぎゃぁぁぁぁ!!!』って悲鳴が重なったから、とにかく駆け上って来たらしい。」
愛「す、すごい判断力ですね・・・。お父さん・・・。」
進「その後、救急車で運ばれて、血清うたれて、何日かうなされてたなぁ。よく死ななかった、って医者に言われたらしい。」
愛「お父さん、すごい人ですね・・・。」
進「自慢の父でございます。はい。蜂、怖いよね。」

かぶせて。
愛「あの」
進「あの」

愛「ぶどう園で刺されたところ、まだ痛みます?」
進「さすがにもう大丈夫だよ。蜂に刺されたところは。」
愛「本当にありがとうございました。」
進「いやいや。」
愛「お礼、って言っても何にもできないですけど、何でも言ってください。」
進「何でも?ホントに?」
愛「・・・。す、進さん?なんか目線がエロいですよ・・・」
進「あははははっ!ごめんごめん。でも照れくさくて。」
愛「照れくさい?ですか?」
進「うん。照れくさい。」
愛「照れくさい内容なんですか?え?」
進「いや、おいらが今から言う台詞、がね・・・。」
愛「台詞?今から言う?」
進「うん。やっぱやめとこ・・・。」
愛「え?やめちゃだめですよ。ちゃんと聞きますから。(小声で)多少はエロいお願いでも。(普通に)言ってください」
進「え?エロ?」
愛「いえいえなんでもありません。」
進「お願い事、いいのかな。ホントに?」
愛「ホントに。」
進「ホントにホント?」
愛「ほんとにホント。」
進「ホントにホントにホント?」
愛「ほんとにホントにホントですっ!」
進「あ、あのね。」
愛「はい」
進「愛ちゃんに、血清、打って欲しいんだよね。」
愛「え?私が注射するんですか?」
進「おいら、愛ちゃんに刺されちゃったみたいなんだ。」
愛「私に刺されちゃった?」
進「愛ちゃんに刺されちゃった。オイラのハート。」

愛「やりま~す!!!」

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8月後半から9月になると、この時期はぶどう狩りのシーズンですね。
皆さんはご予定されていますか?

おいらは、もうかれこれ5~6年行ってないですねぇ。

では、お楽しみください。
FMおかざきでは、9月に放送予定です。(ボツらなければ・・・。)
感想など、よろしくです!