2007年02月05日22:59
えてして、お別れというものは意外と簡単にやってきてしまいます。
それは、お互いの心の行き違いがわかったときにおきてしまうものです。
ですが・・・。
言葉や態度でうまく表現できればいいのですが、それがなかなかできません。
さて、今回の脚本は・・・。
[叫ぶ]
かなり無理があるかな・・・。
ではお楽しみください。(^^)

叫ぶ

美沙「なんかね、違うんだよね。」
共恵「違うってなにが?」
美沙「違うって感じちゃったのよ。勝人のこと」
共恵「はぁ?」
美沙「なんか、やさしいだけで、全然引っ張ってってくれないし、私が甘えたいのに、どっちかっていうと、甘えられることのほうが多いし・・・。こんなの私の理想と全然違う。」
共恵「どうしたの。美沙ちゃん、勝人君のやさしいところが好きだって言ってたじゃない」
美沙「もう別れる!きーめたっと」
共恵「別れちゃうの?」
美沙「うん!そうと決めたらメールしよっと」
共恵「はぁ・・・。私には考えられないけど・・・。やさしい彼なんて、結婚するには理想系じゃない・・・」
美沙「だから違うのよ。何かが。」
共恵「まー決めるのは美沙ちゃんだから構わないけど、美沙ちゃんの理想とどこが違うの?私にはさっぱりわかんない。」
美沙「たとえばね。」
共恵「たとえば?」
美沙「朝起きるじゃない。」
共恵「うん。」
美沙「そうしたら、何の前振りもなく、家の前でスーツ着て待ってるのよ。」
共恵「待ってる?て?勝人君が?」
美沙「んーこの場合は理想の話だから、勝人じゃなくていい。で、大声でいうのよ。」
共恵「なにを?」
美沙「結婚してくれ~!!!」
共恵「・・・・。え?な、なに?」
美沙「だから、近所中に聞こえるぐらい大声で叫ぶのよ。結婚してくれぇ~って」
共恵「・・・。それが?美沙ちゃんの理想?」
美沙「そう!」
共恵「あはは。そうなん、だ。」
美沙「だって、つよーく愛されてるって実感と、朝っていうのが最高に気持ちいいじゃん。」
共恵「そりゃ、たいていの男は違うと思うよ。絶対。そりゃ違うね。っていうか、いないね。そんな男。っていうか、美沙ちゃん、かなり変だよ」
美沙「いいじゃん。もともとマニアックだもん。」
共恵「勝人みたいなやさしい人、そんなにいないんじゃないの?結婚ってそういうもんじゃないと思うよ?」
美沙「共恵は早く結婚しちゃったからそういう盛り上がりに欠けるのよ。いいの。私ももう30後半だから答えが欲しいの。」

勝人「おお、昭二。ここ、ここ!」
昭二「久々!どうよ最近」
勝人「うーん。ま、な。」
昭二「相変わらず結婚できない男、なお悩み?か?」
勝人「あはは。あたってるだけに、な。あ、メール・・・」
昭二「だれから?」
勝人「うん・・・彼女」
昭二「お!例の彼女?ラブラブジャン~」
勝人「そうでもない、よ、って、えぇぇぇぇ~!なにそれ!」
昭二「どうしたの」
勝人「うん・・・」
昭二「ちょい、みせてみ」
勝人「あ、うん・・・」
昭二「なになに? 勝人君。短い間だったけどあなたの素敵な笑顔、忘れません。少しお互いが見てる世界が違うみたい。勝人もそう思うことが多かったんじゃない?これまでありがとう。 ん? これ・・・。」
勝人「ああ、相談するまでもなかったな・・・。終わっちゃったよ・・・。」
昭二「いやいや、はなしてみ。」
勝人「はなしても、ね・・・。」
昭二「何があったのよ」
勝人「うん。こないだ二人でショッピングとかドライブしててさ。」
昭二「うん。デートね」
勝人「そう。で、何気に言われたわけ。やさしいのもどうかと思うよ、ってさ。」
昭二「やさしい、ね。普通誉め言葉だけどね。で?」
勝人「うん。彼氏、というより、お兄ちゃんみたいって。」
昭二「あ?彼氏じゃなくて、お兄ちゃん、か」
勝人「で、もうちょっと聞いてみたんだよ。それって、恋愛感情ないってこと?って」
昭二「そしたら?」
勝人「大好きなんだけど、なんか違うんだって」
昭二「メールのまんま、じゃん」
勝人「うん・・・」
昭二「うーん・・・。」
勝人「終わっちゃった・・・。あー。」
昭二「彼女ってさ。前に話してたとき、なんか、意外とマニアックな感じだったジャン」
勝人「マニアック?」
昭二「ごめん。ちょっと言葉が違うか。結婚願望が強いっていうか、理想がなんかはっきりしてるって言うか、なんていうの?わかんないけど、勝人にして欲しいこととかあって、すねてる、とか」
勝人「すねてる?のかなぁ・・・。ほんとに別れたいって意味だと思うけど・・」
昭二「そうかぁ。なんか心当たりがあるといいんだけどな。俺じゃわからんし」
勝人「心当たり?」
昭二「勝人さ、結構、結婚とか真剣に考えてる、って言ってたよな」
勝人「そりゃ、40手前だからさ。もうタイムリミットだろ。俺も」
昭二「結婚したいって、言ったことあるの?」
勝人「・・・ない。だって、恋愛もちゃんと進まないのに結婚なんて言えないでしょ。」
昭二「なるほど・・・。言え。それ。ちゃんと結婚したいって。」
勝人「はっ!はぁぁあ! 別れたい、ってメールきてるのに?いつ?どうやって?は~???」
昭二「ま、どうせ”仕方がないです。わかりました。これまでありがとう”ってメール返すんだろ。おまえ、わけわかんないぐらいやさしいからな。」
勝人「・・・う・・・ん?」
昭二「ま、決めるのは勝人だから。どうせ振られるんなら派手に振られてみたらどう?」
勝人「そんな・・・。立ち直れないジャン・・・」
昭二「どうせ立ち直れないジャン」

母「ねぇっ!美沙っ!」
美沙「んー?なに?」
母「玄関!」
美沙「玄関?誰か来たの?」
母「なんか気合入ってるわよ!勝人君」
美沙「えーっ! 昨日お別れしたんだけどなぁ・・・。」
母「別れた?の? まーなんでもいいからほらっ!でなさい!」
美沙「・・・うん」

美沙「勝人君・・・。」
勝人「お、おれさ」
美沙「メール、したよ。昨日。もう、お別れ・・・」
勝人「け、結婚してくれ!俺と」
美沙「え?」
勝人「だ、だから。結婚してくださいっ!」

・・・・

美沙「うん!するっ!」